ニュースリリース
赤穂化成株式会社は、豊かな資源である海洋深層水の有効利用を多方面から検討し、2020年4月より開始した高知県海洋深層水研究所並びに高知県室戸漁業指導所との共同研究にて、海洋深層水を利用した"究極の美味、幻の魚"と呼ばれるサツキマスの養殖に成功しました。
愛称は「プラチナサツキマス」です。そしてこの度、2020年9月より出荷を開始し、高知県内のホテル・飲食店などに向けて販売を開始します。
【実施背景】
秋が旬の天然サツキマスは近年、河川環境が影響し「幻の魚」と呼ばれるほど個体数が少なくなっています。そのため一年を通し、安心して気品ある味のサツキマスを食べられるよう、海洋深層水を使用した養殖を開始しました。
弊社は企業理念である「新しい海洋文化の創造」を目指し、海水・ミネラルの利用で暮らしを豊かにする活動として、2014年から生食可能な牡蠣の畜養研究を始め、2017年12月より販売を開始しています。
【養殖方法】
旧高知県栽培漁業センター室戸支所にある水槽で養殖しています。そのうち2年魚、約500尾は2020年9月から出荷し、高知県内のホテル・飲食店などに向けて販売を開始します。
【海洋深層水の安定性を利用】
サツキマスは水温が高いと生存できないため18度未満で育てる必要があります。海洋深層水は水深200m以深の海水のことで水温が低温で安定しており、サツキマスの養殖に適しています。当該 養殖水槽の温度は10度~11度です。また、養殖は餌の栄養成分をコントロールできるため、旬の時期を天然サツキマスと比べて長くする事が可能です。さらに、海洋深層水を使用することで水温を低く保つための冷房に必要な、エネルギー消費を抑えることもできます。
【安心して食べられる刺身】
海洋深層水は表層水と比べて生活排水の影響が無いため、清浄性が高い特徴があります。 また、魚の病気をおこす細菌やウイルスなどの病原体が殆どいないので治療のための薬を使用せずに養殖できます。生の餌を使わず、加工された配合飼料だけを与えるのでアニサキス症の心配も無く、刺身で食べても安心です。
【料理例】
マリネ・箱鮨・焼き物・煮物など、サツキマスの上品な甘みを楽しめます。
【サツキマス(皐月鱒)とは】
西南日本に生息するサケ目サケ科サケ属の魚。天然物は秋が旬。一生を通して河川上流部に残留するものがアマゴと呼ばれ、生後1年目の秋に降海し、翌春まで沿岸で成長し、5月頃、川へ遡上するものがサツキマスと呼ばれています。サツキマスは生まれてから約2年かけて成魚になり、11月頃に河川上流部で産卵して一生を終えます。戦後間もないころと比べ、河川の下流域にサツキマスの遡上障害ができたことから数が減り、現在では幻の魚と呼ばれています。
【今後の展望】
弊社は様々な分野で海洋深層水の有効利用を目指しています。その一つである水産分野では、低温安定によるエネルギーの省力化、清浄性による安全・安心な食品の提供が可能となりました。今後は環境に配慮した海洋深層水の多段活用も開始し、豊かで安全な食文化の創造を目指していきます。